止水工法

ハイドロアクティブタイトとハイドロスーパータイトを使用した3種類の工法を紹介します。

ハイドロアクティブタイトを使用する工法

ハイドロアクティブタイトの概略と止水の原理

ハイドロアクティブタイト止水の原理

概略

ハイドアクティブタイトはポリイソシアネート化合物を主成分とした、水と反応して硬化するウレタン樹脂系の疎水性止水剤です。
建築物や土木構造物の漏水している箇所(コンクリートのひび割れ、打継部等)に充填注入し、発泡・硬化によって止水します。
圧入により微細な空隙まで浸透して高強度な固結体を形成するため、止水効果が長期間持続します。

止水の原理

ハイドロアクティブタイトを注入すると、接触した水と反応して10 ~ 25倍の発泡体を形成します。
充填されたハイドロアクティブタイトは発泡時の膨張圧によって止水効果を発揮します。

インジェクトパッカー工法

インジェクトパッカー工法は、ドリルを用いた削孔にパッカー(注入管)を差込み、疎水性止水剤をポンプで圧力注入する止水工法です。
コンクリートの打継ぎ部分や収縮クラック等の漏水部にハイドロアクティブタイトを圧力注入することで、微細な間隙まで浸透して硬化し、優れた止水効果を発揮します。

止水の仕組み

インジェクトパッカー工法の仕組み

用途

インジェクトパッカー工法の使用用途

土木・建築構造物の止水

特長

インジェクトパッカー工法の特長

疎水性のあるハイドロアクティブタイトが構造物中の水と反応し、ひび割れや土粒子間隙を充填します。
また、加水反応で発生する炭酸ガスが微細な気泡として分散し、止水剤の浸透を促進させるとともに、注入量に対して数倍の大きな固結体が得られます。

施工方法

インジェクトパッカー工法の施工方法

1: 調査工
クラックの大きさを計測し、注入孔ピッチ・斜削孔角度を決める。
2: 削孔工
外径13.5mmのドリルを用いてクラックを貫通させ、削孔径内を清掃する。
3: パッカー設置工
削孔径内に外径13.0mmのパッカーを差込み、注入圧力20kg/cm2以上に耐えられるように取付ける。
4: 注入工
パッカーをホース注入ポンプに接続して初期圧力2.0kg/cm2の設定で止水剤の注入を行い、最大20kg/cm2まで注入が可能。
5: 仕上工
パッカーを取外して漏水がないことを確認し穴埋めを行う。周辺のコンクリートの彩色に合わせて仕上げを行う。

インジェクトチューブ工法

インジェクトチューブ工法は、コンクリートの打継部・漏水部にポンプとチューブによる圧送で疎水性止水剤を注入する止水工法です。
先打コンクリートの打継ぎ部分に注入孔ホースとチューブを取付けます。
後打コンクリートが硬化した後、注入孔ホースを通してハイドロアクティブタイトを充填することで遮水壁を形成し、打継部周辺の間隙を完全に密封できます。

止水の仕組み

インジェクトチューブ工法の仕組み

用途

インジェクトチューブ工法の使用用途

土木・建築構造物の止水

特長

インジェクトチューブ工法の特長

疎水性のあるハイドロアクティブタイトが構造物中の水と反応し、ひび割れや土粒子間隙を充填します。
充填した材料は耐アルカリ性に優れ、高強度で止水性の高い固結体を形成します。
また、チューブと注入ポンプが一体化してますので、理想的な省力化、省人化が図れます。

施工方法

インジェクトチューブ工法の施工方法

1: インジェクトチューブ
インジェクトチューブは100m巻で入荷。現場では5mピッチに合わせて切断し施工する。
2: エルボとの接続
インジェクトチューブをエルボ(継手)に挿入する。切断の長さは全て5mとし最後の部分で調整する。
3: エルボとの固定
接続部をテーピングする。エルボとインジェクトチューブの固定はビニールテープ等で簡単に取付ける。
4: 注入孔ホース取付け
注入孔ホースを調整して適当な長さに 切断しエルボに取付ける。
5: インジェクトチューブ設置
キャップを取付けて完了。上図のように金 属バンドで固定してから後打コンクリート を打設。注入孔ホースを通して止水剤を注入し、間隙に充填したことを確認する。

ハイドロスーパータイトを使用する工法

ハイドロスーパータイトの概要と止水の原理

ハイドロスーパータイト止水の原理

概略

ハイドロスーパータイトはポリイソシアネート化合物を主成分とした、水と反応して硬化するウレタン樹脂系の親水性止水剤です。
地盤の空隙、クラック等に浸透して接触した流水をゲル化し、強固なゴム弾性ゲルの遮水層を形成することで止水します。
大量の湧水、漏水の止水にも優れた効果を発揮します。

止水の原理

ハイドロスーパータイトを注入することで、漏水箇所から構造物背面の地山に浸透します。 接触した水全体をゲル化させ、構造物背面にゴム弾性体の遮水層が形成されます。

インバースバリエーション工法

インバースバリエーション工法は、2液圧送先端混合1液注入ポンプを用いて、水とハイドロスーパータイトを別々のホースで圧送し、先端Y字管により8:2の配合(標準配合)で注入する工法です。注入作業性がよく、地盤などの大量の湧水や漏水部に優れた止水効果が得られます。

止水の仕組み

インバースバリエーション工法の仕組み

用途

インバースバリエーション工法の使用用途

漏水や湧水の止水 (シールド抗口、トンネルなど)

特長

インバースバリエーション工法の特長

ハイドロスーパータイトが地山の空隙などに良く浸透し、構造物背面はゴム弾性ゲルが遮水層となります。
透水係数は約10-7 ~ 10-8cm/secであり、優れた止水効果が長期間安定して維持されます。

施工方法

インバースバリエーション工法の施工方法

Page Top